植物部グループ展「応答セヨ…応答セヨ… 植物と私たちの距離」
私たちが他者を理解しようとする時、大抵私たちの前提に引き付けて考えてしまう。 それは私たちが気にかけてやまない植物に対しても例外ではない。
姿形は人間には似ても似つかない。それでも植物は人間に喜びや驚き、畏敬の念や、ときに喪失感をもたらす。
植物の営みは単純に人間の営みへと投影するだけでは理解することが難しい。
例えば、植物に死はあるのか?感情はあるのか?植物に私たちのこの声は、心は伝わるのか?……人間にとってはそのどれもが不確かだ。
しんとした静けさの中、繰り返し朽ちてはよみがえる。植物の静けさゆえの微小なノイズに耳を傾ければ、植物にも人間のような部分を見つけることができ、翻って人間にもまた植物に似たところを見出せるかもしれない。
自らの中に植物の芽吹きを見つけ、 その芽吹きを通して再び私たちの姿を探す。
「植物」⇄「人間」
それを認めたとき、人間と植物との境界も徐々に曖昧になっていく。
植物と私との距離を確かめるため。そして自らの内にある植物性を通して、私たちというものを明らかにするため。
応答セヨ…応答セヨ… 私たちは植物の大いなるダイナミズムの中へと交信を試みる。
応答セヨ…あなたは何者か。そして私たちもまた何者か。
■会期:2025年5月1日(木)〜5月11日(日)
■開催時間:平日13:00-19:00 土日11:00-19:00
■会場:アートルーム企画室(東京都渋谷区広尾2-13-6 ARK1001)
■入場料:無料
■作家プロフィール
大倉なな(おおくらなな)
Painter
女子美術大学短期大学部造形学科美術コース卒業。
ゲンロン新芸術校第6期修了。
近年は、絵画の枠にとらわれず、役目を終えた植物や生き物の死骸を用いた窓の作品を制作している。
鈴木祥平(すずき しょうへい)
1992年生まれ。
多摩美術大学情報デザイン学科メディア芸術コース卒業。
ゲンロン新芸術校第6期修了。
現在は、自宅の観葉植物をモチーフにした絵画作品を制作している。
中村馨(なかむらかおる)
1999年生まれ。社会学部卒業。
アディクション、セクシュアリティ、親密性について関心を持ち、制作を行っている。
三好風太(みよしふうた)
画家・アートグラファー。
制作を探究行為として位置づけ、作品を発表している。
また、美術教育に関する研究や発表にも取り組んでいる。
メカラウロコ
2020年より、3DCG映像やマルチメディアインスタレーションの制作を開始。
3DCGを用いたコメディ映像やインスタレーションを通じて、女性の等身大の悩み、出産、性、親子関係などを描いてきた。
〈主な展覧会〉
2021年 ゲンロン新芸術校最終成果展「0地点から向かいます『現代美術の再発明』の再設定」金賞(ゲンロン五反田アトリエ/東京)
2022年 個展「鮭らは海から川へーフェミニズムの波を漂うー」(大崎THTギャラリー/東京)
2023年 個展「エコー エコー エコー…」(PARA/東京)
■主催:大倉なな、鈴木祥平、中村馨、三好風太、メカラウロコ(植物部)
■助成:公益財団法人東京都歴史文化財団 アーツカウンシル東京[スタートアップ助成]