2023年11月23日 ~ 2023年12月3日

淺井真至 Solo exhibition 「おはよう、出航です」

日本の現代アートを中心に取り扱うコンテンポラリー・アート・ギャラリー ayatsumugi 様の主催により、淺井真至 Solo exhibition 「おはよう、出航です」を開催いたします。ayatsumugi様による企画展は今回で2回目となります。ayatsumugi様は「100年、愛されるアート」というビジョンを掲げ、街の空きスペースなどで展覧会やアートプロジェクトを企画・実施されています。合同会社企画室ではこのビジョンに賛同し、ayatsumugi様による展覧会を今後も継続して開催していきたいと考えております。

 

■開催概要(ayatsumugi様ホームページより)

淺井真至の水彩画には、夜中におしゃべりを始めそうなキャラクターのようなモチーフが描かれています。長野の木彫りやこけしなど、民藝のアイテム、湖水や木々などの自然が、複合・融合的に画面に立ち現れ、水彩独特の水と色の揺らぎを用いて表現されています。
この夏、彼が暮らす信濃大町を訪れて、少し驚きました。街のそこここに、淺井の水彩画に現れるイメージのような長野独特の木彫りの彫刻があり、アトリエの中にはこけしやどこかのお土産物が、これまた水彩画から飛び出てきたように鎮座していたのです。創作と暮らしは「卵が先か、鶏が先か」。
「土地の暮らしの中から立ち上がるイメージが、人間を通じて表現されたものに目がいく」と淺井真至はいいます。祭りや伝統的な舞、方言、食べ物。風土といい表されるような事象です。一方で、都会育ちの淺井の心象風景には、初期のファミコンがバグで乱れた画面やエイトビートの電子音もまた、等価に刻み込まれているのだといいます。
世界は二元論で語られがちです。実在するものとしての自然があり、それに相対するように、内在する精神があると。しかし、フッサールの「現象学」では、二元論を超えて、「経験に現れていること」を出発点にしています。ごく単純に例えてしまえば、ありのままに見てみれば、物としての自然と精神とは、相互共感のもとに物語をつむぐように存在しているのだという立場です。
淺井真至の制作もまた「ありのままに見る」を出発点にしています。色や形、そのものが持つ雰囲気、言語化されているもの、音。数々の事象を、共感覚で読み解き、自身と事象とのあいだに生まれ続けている小さな物語を描いているのです。
現在も淺井は長野県大町市で暮らしを営みながら、アトリエを構えて、アーティスト活動のみならず、原始感覚芸術祭や信濃大町あさひAIRの運営にも参画。大町に滞在するアーティストのサポートをしながら、共同制作などを通じて研鑽を続けています。

2023年11月23日(木・祝)~12月3日(日)
時間:13:00〜19:00(金・土は20時まで)
場所:アートルーム企画室(東京都渋谷区広尾2-13-6)
東京メトロ広尾駅から徒歩8分
JR恵比寿駅から徒歩13分
都営バス06系統広尾一丁目バス停から徒歩1分
主催・企画:gallery ayatsumugi
協力:合同会社企画室

 

■アーティストステートメント

おはよう、出港です

どこまでが海で
どこまでが俺なのか
色は跳ね返って
眼球にぶち当たり
それがどんなものかを
いつからか決めたのに
次の瞬間にはそれは消えて
何の意味も無いのに
意味をつけて
壊れたわけでもなく
朝が来て、船を出す
見てないとき
となりの部屋があるのかすらわからないし
ただ、想像できる限り遠くまで 想像できる限り
遠くまで たくさんの人、景色、音、いろ、言葉
俺が消えたら
この世界は全部消えちゃうんだ

全部忘れちゃおう
どうせ色や形はまた飛んでくるんだ

淺井真至