2024年2月15日 ~ 2024年2月19日

STORY ROOM body, freedom and space

コレクティブchannelは、ドイツを中⼼にヨーロッパで活動する現代美術アーティスト、カトリーヌ・ヴァルとコラボレーションし、個々⼈の物語が社会の物語へと繋がるプロジェクト「STORY ROOM」を実施する。
本プロジェクトは、「今⽇の社会で⼀⼈の⼥性として⽣きることは何を意味するのか」という問いかけに共鳴する、中国、韓国、マレーシア国籍の大学生メンバーと共に、作家を含めた6⼈のメンバーからなる多国籍チームとしてグローバルな視座から展開する。

本プロジェクトは、ヨーロッパをメインに活動してきたヴァルを、初めて⽇本に紹介するものとなっている。これまで⼥性が抱える困難や経験、ディアスポラ問題など多岐に渡る社会問題にフォーカスし、社会の中で⾒過ごされてきた⼈々の声や姿にスポットを当ててきたヴァルは、⼈々との対話を軸に作品を制作し、提⽰し続けてきた。

今回は、2月にPart1、3月にPart2としてそれぞれ異なる作品とワークショップを2回に渡り展開する。

アートルーム企画室においては、古今東西の著名な女性思想家、改革者、哲学者にヴァルが扮したポートレイトシリーズ「Philosopher,the Female Wisdom」を展開する。作家であるヴァルと、女性の哲学者たちそれぞれの物語が交錯するとき、様々な時代の社会を生きる女性たちの「個人的な物語/personal stories」」が浮き彫りになる。また、展覧会会期中には、多国籍メンバーによる、それぞれの背景を元にした、衣食住にまつわる多様なワークショップも展開される。

 

▶︎ワークショップ(参加無料)
✴︎下記のURLより参加申し込みをお願いします。
https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLScfmk55RuwHwbE7QV1gBUU9n7ulULZdy2sXfWuhYLO3KA3LjQ/viewform

①「Fashion of freedom」
2月16日(金)18:00~20:00 

本イベントでは、参加者が持っている、普段外出するのをためらうほど大胆な服を1着持参し、その服が象徴する意味や自己の感情を考えながら、その服をテーマに自由に作品を制作する。イベント終了後には、ワークショップを経て行った深い自己分析を元に、服や自分に対する認識と自信を再構築し、持ってきた服を着て帰る。⾃分の感情を解放し、⾃分の考えや価値を肯定することで、伝統的な概念の束縛を打破することを目指す、”Fashion of freedom”を体現するワークショップ。

②食口(シック)ワークショップ/SIKGU Workshop
2月17日(土)17:00~19:00
参加費:無料

ファシリテーターであるイ・ユビンの写真集「食口」を紹介し、参加者とも食口(シック)になるワークショップ。食口とは、同じ屋根の下で過ごしながら、一緒に食事をする間柄を指す韓国の言葉である。韓国では「家族」と同じ意味でよく使われるが、家族ではない人に対しても使う言葉で、食事を通して血縁関係のように近い存在になることも意味する。今回のワークショップでは、多様なアイデンティティを持つ参加者自身が普段家で使う各自食器を持ち寄って、韓国料理の「ビビンバ」を一緒に作って食べる。「ビビンバ」は、味と色が違う複数のナムル(具材)をお米と混ぜて食べることで、違う具材が集まって美味しい食事になる、融合と調和の可能性を提示する料理である。多様に彩られる食卓で、女性がキッチンで築いてきた知恵(Wisdom)と、日本や韓国といったアジアにおけるジェンダー観について語る場となる。

③「おもいを馳せるお弁当/Beyond the Bento」
2月18日(日)15:00~17:00
参加費:無料

本イベントは、日本の“お弁当”が持つ歴史などを紹介しながら、背景や国籍が異なる調査対象たちの心に残ったお弁当、そして、その背後にある想いやエピソードを紹介する。それを踏まえ、参加者も実際自分の記憶に残ったお弁当・思うお弁当を、絵や紙粘土、折り紙、文字など、様々な形で表現しながらも、そのお弁当にまつわるエピソードをシェアする。最後は個々のエピソードから、社会のストーリーへと繋がり、小さなお弁当箱に詰まった共通点や多様性、色とりどりの「おもい」を発見することを目指すワークショップだ。

 

▶︎作家プロフィール
カトリーヌ・ヴァル/Catrine Val

写真、映像、パフォーマンスを専門とする、国際的なコンセプチュアル・アーティスト。
時間と歴史の概念に深い関心を持ち、多様な文化的・政治的システムにおける女性の役割と、哲学分野への貢献に焦点を当てているヴァルは、パフォーマティブな写真やビデオ作品を制作し、フェミニストの実験的肖像画の新しい形を提示している。
また、ヨーロッパ、アジア、アフリカ、南米の女性たちとの出会いから、世界各地の政治的・社会的に文脈における女性の役割を探求し、明らかにすることに重点を置いたマルチメディアな活動が評価され、世界哲学会議に招待された。ロンドン大学高等研究院が主催する Being Human Festival 選出。

2023: 8th of March, protagonisten : Sinn und Leffers Kassel, Germany
2022: "Light Matters -" (documenta, UK14), Kassel, Germany
2021: BANG BANG – FELD+ HAUS Gallery, Frankfurt, Germany
2019: "The Changing Room," Departure Lounge, Luton, UK
2018: "Women‘s Wisdom," World Congress of Philosophy, Beijing, China
https://www.catrine-val.com/
https://www.instagram.com/catrineval?utm_source=ig_web_button_share_sheet&igsh=ZDNlZDc0MzIxNw==

 

▶︎channelメンバー
海沼知里
2002年、長野県出身。
2020年に青山学院大学総合文化政策学部に入学。 その後 1 年間の休学期間を経て、2023年より武蔵野美術大学造形学部芸術文化学科に編入学、現在3年次在学中。 芸術と社会を繋ぐ担い手として、ビジネスプランの構築、演劇や音楽プログラムの企画、芸術祭の運営に関わるなど様々な領域を横断しながら多岐に渡る活動を行ってきた。また、難民問題や障がい者を取り巻く環境について関心を寄せており、自主的に学びを深めて行く中で、まず無関心を関心に変え、対話をしていくことが重要だと考えるようになった。その上で、社会にやわらかな思考と実践の回路を拓くことができる芸術を通じて、実践的な活動を行っている。

武田花
2002年、東京都出身。
2020年より日本大学芸術学部美術学科彫刻コース地域芸術専攻在学中。 高尚で難しいと敬遠されがちな芸術の魅力を、自らが作家・作品と鑑賞者の橋渡しとなることで幅広い人々に伝えたいという目標の元、キュレーションやマネジメント、コーディネートの勉強や活動を行ってきた。また、言語を持たず思想や意見を柔らかく包むクッションとなる芸術は、属性や考え方の異なる人々を緩やかに繋げるものだと考え、芸術の眼差しから社会に接続するべく積極的に活動している。

イ・ユビン
2001 年、韓国ソウル出身。
日本といった海外に対して興味をもち、韓国の外国語高校で日本語を専攻。2020年より武蔵野美術大学芸術文化学科に入学し、日本に留学中。大学では、芸術と社会をつなぐ「こと」のデザインに関心を寄せ、展覧会やワークショップ企画の勉強と実践に取り組んできた。多様性と包容力が芸術の可能性だと信じ、現代社会の中で芸術がどうやって働くか常に考え、大学・NPOなど多様な組織で活動している。日本に住む韓国人というアイデンティティをもち、日本と韓国を芸術を通して繋いでいく人になることを目指している。

ミ・ショシン
2000年、中国の済南市出身。
2017年に来日、2020年からは武蔵野美術大学の芸術文化学科に在学中。アートを多くの人に身近に感じてもらうための「こと」のデザインに興味を持ち、大学では展覧会やワークショップなどの企画・実施に積極的に取り組んできた。芸術には無限の力があり、国籍や性別、言語や文化の壁を超えて共感や理解を伝えることができると信じ、アートプロジェクトや美術館などで様々な活動を通じて実践している。

テイガイリン
2001年、マレーシア出身。
10年以上前に日本語と日本の文化に魅了され、2018年より中国の上海から北海道の高校に編入し、日本での留学生活を始める。2020年より青山学院大学総合文化政策学部に在学中。大学ではジェンダー問題に関心を寄せており、自主的な学びや異なる文化背景を持つ他者との対話を通して、ジェンダーに対するネガティブな印象が変化し、また個々人の可能性、社会課題においてアートの可能性を実感した。一人の外国人として、日本社会での役割や、この地の人たちのためにできることを日々模索しながら活動している。

 

▶︎開催概要
展示タイトル:STORY ROOM body, freedom and space
作家:カトリーヌ・ヴァル
メンバー:武田花(日)、海沼知里(日)、ミ・ショシン(中)イユビン(韓)、カリ(マレーシア)
会期:2024年2月15日(木)〜2月19日(月)
開場時間:11:00-19:00
会場:アートルーム企画室(東京都渋谷区広尾2-13-6 ARK1001)

主催:channel
協力:アートルーム企画室、ウラダナ、off COFFEE.、墨田区京島民泊図書館KAB Library and Residency、東京都教育委員会・東京スポーツ文化館
助成:令和5年度チャレンジアシストプログラム(主催:東京都教育員会 東京スポーツ⽂化館)、公益財団法人東京都歴史文化財団 アーツカウンシル東京[スタートアップ助成]