アートルーム企画室より、年末のご挨拶と今後の運営方針について

守屋慎一郎

みなさまお世話になっております。

広尾にアートルーム企画室を開設して1年が経ちました。去年のいまごろはおそらく展示壁の工事等が終了し、友人を招いてのお披露目パーティなどを開催していたころかと思います。そして2022年2月に開催した最初の展覧会「Life With Art」展の準備に取り組んでいた時期でもあります。

アートルーム企画室では、この最初の企画展のあと、ワークショップシリーズ「Play with Art」、そして中山佳保子さん、鈴木ももこさん、江波戸陽子さんの個展、そしてつい先日は「Christmas Art Market」を開催しました。このスペースを計画していたときに想定していた密度には届いていませんが、1年間で6本の企画展、個展を開催し、20組以上のアーティストとご一緒させていただいたことは私にとって大きな喜びでした。作品を発表してくださったアーティストの皆様はもちろんのこと、サインデザイン、カッティングシートの施工までしてくださったデザイナーのSO+BAさん、とても使いやすく美しい展示壁と展示什器(テーブル)を設計し、メンテナンスでも尽力いただいた建築家の松野由夏さん、そしてほぼすべての展覧会で企画制作をサポートしてくれたアーティストの川端明里さんには深く感謝を申し上げます。

アートルーム企画室は「アートと日常(ひとりひとりの生活やコミュニティ)の距離を近づける」ことをコンセプトに開設したスペースです。ここで作品を発表してくださったアーティストの多くはこのコンセプトに共感してくださいましたし、ご近所の方含め足繁く通ってくださるお客様もできたことはとても嬉しいことなのですが、実際にはまだまだ目指していた姿に近づけていないことも事実です。特に現実的な問題として、主催者である私が合同会社企画室としてのコンサル業務に忙殺されており、スペースの管理に充てられる時間に限界があること、結果としてスペースをオープンできている日時が限定的になっていることは大きな課題かと思っております。若手アーティストに作品発表の場を提供することも大切なコンセプトにしているのでレンタル料金や販売手数料をあまり高額にすることは避けたいですし、こちらもその結果として、あるいは超現実的な問題としてコンサル業で稼ぐお金で必死に家賃を払っているのが実情でして。私ひとりの力ではこれ以上スペースのオープン時間を拡大していくのは難しいように感じています。本来であれば主催である私が相応のリスクを負い、有償で運営スタッフを雇用するべきなのでしょうが、あのにっくき(!)インボイス制度の導入もあって来年(2023年)から収入が実質的に10%目減することも考えると、いますぐにそのリスクを負うのも難しいというのが本音でもあります。

そこでまことに勝手なご提案ではあるのですが、アートルーム企画室の活動に賛同し、参加してくださる方がいらっしゃれば、ぜひ運営パートナーとして、本室の運営にご参加いただけないかと思いました。

具体的にはアートルーム企画室のスペースの一角をワークスペースとしてご提供することを考えています。もしアートルームで作品を販売しながら働けるよという方がいらっしゃれば、私が不在のときにもスペースを開け、作品を販売することができます。常時作品を展示販売することができればスペースへの認知も高まるでしょうし、アーティストの作品発表機会、収益の拡大にもつながるのではないかと思います。当面定額での謝金はお支払いできないですが、スペース使用料は無償とし、作品が販売できた場合には受取手数料をわけあうような形で、参加者にも若干の収益が生まれるようにしたいと思っております。また企画展を開催する場合にはアーティスト選定などにも初期段階からご参加いただければと思っております。

繰り返し誠に身勝手な提案かと思うのですが、あえてメリットがあるとすれば家賃負担なく都心の気持ちのよい空間(だと思います)にワークスペースを確保できること、若手を中心としたさまざまなアーティストと交流が持てること、アートスペースの運営経験ができることになるでしょうか。フリーランスとして活動されている方、リモートワークの拠点を探していらっしゃる方、学生のみなさまなど、アートを日常に近づけるアートルーム企画室の活動に面白がって参加してくださる方がいらっしゃいましたらとてもありがたく思います。ご興味ある方はぜひお気軽に、コンタクト欄からご連絡ください。

世の中を面白くする。企画室の活動にご参加いただけましたら幸いです。